Projectプロジェクト
- ハッピーワーククエスト
2024.12.28
会社は働く人のために存在する!!
今回のスピーカーは、株式会社アグティの齊藤 徹さん。4つのテーマでお話しくださいました。
1.アグティについて
・創業と事業内容
1992年創業、現在220名のスタッフで、医療機関や高齢者施設のビルメンテナンスやクリーニングを行う。
・創業者の想いを引き継いで
35歳のときに事業承継。それまで会社には、経営理念はなく、この会社の旗印になるようなものってなんだろうと考えたときに、創業者が日ごろから「会社は働く人のためにあるしな」と言っていたのを基に、我が社の道しるべとして定義されました。
使命:我が社は、共に働く仲間の幸せを追及することにより、豊かな未来社会へ貢献する。
約束〈会社のこころ〉:仕事とは喜ばれる作業である。仕事の嘘は許されない。
姿〈teamAGT〉:自由と責任の共生する集団。
そして会社は道具、事業は手段、あくまで主体は働いている仲間なので、仲間の幸せを実現する道具が会社であり、手段が事業である、と仰っていました。
2.齊藤徹について
・幼少期の経験
父親の会社の倒産により、経済的困難を経験。ある日、家族団らんで晩御飯を食べていた時に、土足で3人の借金取りが家に上がって来ました。その時から180度環境が変わり、常にお金のことで両親がもめるように。人はお金に困ったら、どんなに優しい心を持っていても、どんなに素敵な人でも心がどんどん廃れていくことがわかったそうです。そのことがすごく大きな体験として残り、彼の人生観に大きな影響を与えました。
・キャリアの始まり
子供のときからサッカーをしていて、中学の時には日本代表候補にも選ばれるほどの実力だったそうですが、高校卒業後、家庭環境が理由で、大学に行くことを諦めたそうです。サッカー選手としての夢を諦め、叔父の会社で働き始めることになりますが、周りは大学に行ってサッカーをしている中、悔しさがあり、仕事に没頭しました。仕事も順調で、忙しくなり、後輩を会社に誘って一緒に仕事をしました。齊藤さんは後輩に「あれしろ、これしろ」と指示を出していたそうですが、ある日その後輩が仕事に来なくなり、家に行くと「僕はあなたのロボットじゃない」と言われてしまいます。その頃の齊藤さんは、仕事も取ってきて、結果も出し、後輩も頑張ってくれていると思っていたので、この一言はかなりショックだったそうです。
しかし、25歳で取締役になり、さらに天狗になって、支配的になっていったそうです。この時も、事務員さんの退職時に、「齊藤さんの目が怖い、だから会社を辞めます」と言われたそうです。
・内省と成長
35歳で代表に就任。創業者に、齊藤さんも含めた代表候補3人にどんな会社にするのか書いて来いと言われ、齊藤さんは、俺が会社をするべきだと書いたそうです。その理由は、幼少期の体験からお金のない生活はしたくないということと、大学にいた友人を見返したいというものでした。しかし、社長になりたい思いだけで社長になったので、何をしていいのかわからず、40歳のときに、経営の勉強をしに行きました。そこで「会社は社長のうつわ以上に大きくならないよ」という言葉を聞いて、怖さを感じたそうです。そこから、経営の勉強というより、人としてのあるべき姿を学び始めます。内省をして、改めて自分が支配的な人間であることがわかったそうです。自分の支配的な性質が会社に影響を与えないようにするために、会社に行かないという選択をしました。そうすることにより、45歳くらいから、手放すという感覚や自分達らしくあろうという感覚を大切にすることにより、働いているみんながいい感じになってきたなという実感が持てるようになってきたそうです。実際にはマインドを変えることはすごく難しいと感じていて、いい人キャンペーンを続けているそうです。これを続けることにより、いつかいい人になるんじゃないかと。
今、大切にしていることは、じぶんごとと関係性だそうです。自分の人生における時間は自分の時間なので、じぶんごととして大切にしてほしいということと、自分一人だけでは幸せになれないので、周りとの関係性もよくして欲しいとの思いだそうです。
3.取り組みについて
・地域循環ワークシェアリング
くらしのある地域や社会への取り組み個人では手の届きづらいところへ、お金の循環も気にかけて、わたし達らしさを大切に、地域循環ワークシェアリングとしてACWAという取り組みをされています。クリーニング事業の中から、たたむという仕事を切り出し、地域の店舗を借りて、そこに仕事を持っていくことにより、地域の方がそこに出てきて、関係性が生まれる仕組みにされています。ここでの仕事は、いつ来てもいいし、好きなだけ働いていいそうです。関係性が生まれてくると、来ない人がいると、電話してみようとなったり、車が運転できないおばあちゃんなんかも誘ってみんなで買い物に行くようになったりするそうです。またひきこもりの方もここには出てきたりするそうです。いまではこの仕組みを広げて、沢山の施設で認知症の方との取り組みもされています。
・ユニークな制度
「フーテンのトラさん制度」という、30歳から5年ごとに1カ月休める制度があります。また、人事評価もやめて、評価という言葉を、感謝・貢献に変えて、仲間からのありがとうやアドバイスをもらう現在地シートという仕組みにしているそうです。また、任せるということも辞めました。もともと支配的な性格なので、自分の仕事を任せると管理する事になるので、任せるのではなく手放して、みんながじぶんごととして仕事をするような仕組みにしたそうです。
4.これからについて
2025年春に梅小路ACWAがスタートします。そこには、ハピラボメンバーでもある波多野さんが子育てVillage:Lykkeをオープンします。2027年には代表を降り、次のステージへ進む計画をされています。
幼少期の体験から、がむしゃらに働き、35歳で代表になり、そこから内省し、いい人キャンペーンを続けていることを赤裸々にお話しくださいました。マインドはそう簡単には変えられないけれど、行動は変えることができる。齊藤さんらしさがあふれるお話でした。
常に走り続け進化していく齊藤さんの今後に注目です。
次回ハッピークエストVol.5は、
2025年2月25日(月)18:30~20:30 QESTIONにて
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『わたしをいろどる!ソフトスキルを生かす、未来の”はたらく”の作り方』と言うテーマでお話いただきます。
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定期的に顔を合わせ発信し合うことで、新しい気づきや実践が生まれる場にしていきますので、次回もぜひご参加よろしくお願いします!