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2023.02.18

陽明学コラム vol.4 ~どんな組織にしたいですか?~

京都で経営者が学び合う

Happy Work Design Lab座談会

 

第3回は~どんな組織にしたいですか?~

というテーマで話し合いました。

 

業種、業歴、規模に関わらず、

人に関する悩みは尽きることがないのですが、

実はみなさん「自分の中に答えを持っている」。

 

陽明学ではそれを「良知」と呼びます。

 

心の内側から湧いてくる想い

心の声に正直になることが

物事を正確にとらえる助けになり

悩みを解決するカギになります。

 

今回共有いただいた

・現在取り組んでいること

・課題に感じていること

・これから取り組みたいこと

・参加した感想や気づき

には、どんな「心の声」が現れていたのか

いくつかのキーワードをピックアップしてみたいと思います。

 

1.自主性を発揮できる組織にしたい

2.人間らしさを発揮できる人が輝ける組織にしたい

3.人事制度をつくりたい、変えたい

 

1.自主性を発揮できる組織にしたい

 

1番多くの方から出ていたキーワードが

「自主性を発揮できる組織にしたい」でした。

 

自主性を発揮できるとは

・組織全員が一体となって仕事の社会的意義を共有して仕事をする

・お互いに長所を生かして補い合って仕事をする

・自分の頭で考えて動ける

 

そして、自主性を発揮しやすい組織をつくるには、

・やりたいことを引き出す。沢山の経験ができる。一緒にやる。

・やりたいことやりたくないことを社員間で共有し役割の割り振りをする

・困っている人を自然に助けられる

 黙っていてもフォローに入るような雰囲気、仕組みづくり

 

などの意見が出ました。

 

すでに理想のイメージを持っている人の意見や

最新のティール組織が実践している事例の共有から

今後取り組みたいアクションを具体的にイメージしていただけたようです。

 

2.人間らしさを発揮できる人が輝ける組織にしたい

 

次に出ていたキーワードで素敵だなぁと思ったのは

「人間らしさを発揮できる人が輝ける組織」でした。

 

その具体的なイメージは、

・個性が生きる

・人間的に学ぶ

 

そして、そんな組織をつくるには、

・遊びの共有

・お互いを知ること

・共通言語や共通体験を持つこと

 

など、知識やスキルだけでなく、

仲間との関係性の中で育まれる

人間性(哲学)を持った人の成長を願う姿がありました。

 

3.人事制度をつくりたい、変えたい

そして、ある程度の規模の企業から出ていたテーマが

「人事制度」でした。

 

その悩みとして、

これから人事制度をつくりたい企業からは

・教育機会の創出不足

・若い人材不足

など、人を採用し育てるための仕組みとしての期待。

 

すでに人事制度がある企業からは

・強みにフォーカスして働いて欲しいのに

弱みが際立って苦しんでいる社員が多いように感じている

・社員のモチベーションの向上が課題

など、社員のモチベーションを向上する仕組みとしての期待を感じました。

 

つまり、前述の「自主性を発揮できる組織にしたい」

「人間らしさを発揮できる人が輝ける組織にしたい」

とちゃんと紐づいていることがわかります。

 

では、人事制度があってもなくても

理想の組織に上手く向かっていないときは

どう考えればいいのでしょうか?

 

陽明学のポイントからは、次のキーワードが浮かびました。

 

1)今に全集中すれば、心は正しくはたらく

 

もし、自分の心が「今ここ」になければ、

視ようとしても何も見えず、聴こうとしても何も聞こえず、

食べたとしても味がわからない。ということが起こります。

 

では、どんなときに、見えたり、聞こえたり、美味しいと感じたりできるのでしょうか?

 

それは、心が「今ここ」に在る状態のときです。

 

心が正しく働いている時、自分と相手(他人・もの)の場には、良知が働いて通じ合い思いやりが生まれ、正しい判断ができます。

 

しかし、私利私欲・邪心が働きだすと、心の働きが鈍ります。

相手を思いやったり、感じなくなり、相手が正しく見えなくなります。

心が狭い人は、心から相手を追い出し、「自分だけ、自分さえ」という考えになってしまうのです。

 

では、どんなときに、私利私欲、邪心が絡んでくるのでしょうか?

 

それは、「心を散らかしている」とき、

「心ここに在らず」の状態になったときです。

 

例えば、過去にあった嫌なことを引きずっているとき・・・

未来の心配ばかりしているとき・・・

 

だから、「心ある人」になりましょう。

それは、「心が、今、ここに在る人」です。

 

と王陽明は教えてくれています。

 

人事制度では、

不本意なマイナスをつけられたとき・・・

誰かと比べてしまうとき・・・

「心を散らす」原因になっていないでしょうか?

 

2)学問の根源は生命力

 

学問の根源とは、

「知りたい」

「やってみたい」

「できるようになりたい」

という自然と湧いてくる「好奇心」

誰もが一人ひとりはじめから持っている「生きる力」

「生命力」のことを言います。

 

陽明学ではそれを「良知」と表現します。

 

いきなり最初からすごい人のようにできなくて当たり前。

自分にはあの人みたいにできないと

人と比較して嘆く必要はなくて。

 

昨日の自分より今日の自分

今日の自分より明日の自分はどうなっていたいか

そんな自然な気持ちで、今、できるところから

一つひとつ力をつけてクリアしていけばいい。

 

人を見るときも

自分と向き合うときも

この視点を持っていれば

苦しむ必要はなく

いつも前向きにチャレンジしていける。

 

本当は人事制度をつくる目的として

こういうことをイメージされていると思うのですが

「人から言われて人に評価される」ことと

「自分で決めて自分で振り返る」ことは大違い。

 

今の人事制度を振り返ったとき

これからつくりたい人事制度をイメージしたとき

どちらのイメージに当てはまるでしょうか?

 

みんなで創ること。

すぐに力になれる、すぐに助け合えること。

出入りと内外が自由に行き来できること。

良い事が利益になり社会課題を解決すること。

 

そんな理想の組織イメージを具現化するときにも

陽明学の教えは光を照らしてくれます。

 

答えはいつも心の中、自然感覚の中に。

 

身体感覚で感じたこと、心で応答することに

感覚を研ぎ澄ませながら実践していきましょう。

 


 

https://note.com/wawotsukuru

 

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